三浦しをんの「木暮荘物語」を読みました。
一つ一つが木暮荘と住人にまつわる話で面白かったです。
色んな人間観察がしたい人はぜひ。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2014/10/10
- メディア: 文庫
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木暮荘というボロアパートを中心に関係ないところで、人間関係が交錯し、物語を作っていく、ちょっと変わった構成です。
個人的に好きな話は「穴」。 覗き穴から階下の女子大生を観察する男。 でも、勃起はするのに出せない苦しさ。 女の裏側を見て、あんなにキャピキャピしてるくせに、実際はこんな生活か…と色んな発見をして行きます。 最終的に女子大生に見られていることを気づかれていて、見られたくない時は紙を貼るということになりました。
それから「ピース」にはうるっときました。 子どもが産めない体の前述の女子大生が友人が産んだ赤ちゃんを1週間預けられ、1から慣れない子育てをする話。 その赤ちゃんはデキチャッタ上に、相手の男は実家に逃げているという始末。 出生後、名前もつけられないままだった赤ちゃんをに「はるか」と名前をつけて、木暮荘の人も手伝ってくれたり、とする中で子どもがこんなに可愛いものなのか、私には一生抱けないものなのか、という思いでいっぱいになる女子大生。 最終的に、友人が「ごめんねぇ〜」と軽く帰ってきて、はるかを連れて行ってしまいます。 ひと時でも女子大生が母親になれたこと、想像できたことの喜びと、もう体験できないんだなぁ、という悲しみでうるっとしました。
三浦しをんさんを読んだのは初めてでしたが、最初に読んでもいい一冊だと思います! ぜひ。