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アキエノート

アルパカとねこすけとハムスターと犬です。

レビュー:めまい

@coddledegg さんから誕生日プレゼントをいただきました! ありがとうございます!

唯川恵の「めまい」を読みました。

「きれい」と「月光の果て」が個人的に一押し。

唯川恵といえば恋愛小説のイメージだったが、こんなホラー調の作風も面白い!

人間のどろどろした感じがとても楽しめた一冊。

この本は単純なホラー短編集というわけでなく、最後は狂気と純愛で締めくくられる。

とはいっても、初っ端からゾクっとした怖さがあるし、その後もどんどん読み進めるにつれて怖さが増す。

「きれい」は美容整形を生業にしている女医の元に同級生と名乗る女が現れ、体を手術して美女になるようにしてほしいとお願いする。

女は無理な手術にも耐えて晴れて、美しい顔と体を手に入れた。

が、家に帰った、女医が見たものは彼氏の上で乱れる自分の手で手術した友達だった…というオチ。

女の執念が怖い。 この友人は癌に犯されていたが、最後の最後に女医に復讐するという形を取った。 女医がはー疲れたわーと思って、彼氏の待つ家に帰って、そこで自分が手術したきれいになった友人が彼氏と交わってたら、放心状態だろう。 癌に犯されていた、というのもミソである。

「月光の果て」は狂気と純愛。 病院で札泥をしてた業者の女が、ある日少年に泥棒の現場を抑えられてしまう。 そのことで、弱みを握られた女は少年の小間使いに。

その少年は病気によって、片足が切断されていた。 大事な手術の前に、女と交わって、こんなにあったかいんだなーと言ったりして、女も欠損した足に口付けたりして、少年といい雰囲気に。

手術前、女は「足も持って行ってあげたい」「彼を完全にしたい」という思いで、少年の足が保存されている場所へ。 そこへついてから、少年の足を取り出し、病室へ走り戻る。 そんな話でした。

この話は狂気も含まれてるけど、純愛ではないかなぁと思います。 普通に考えて、切断された足を持って行って、完全にしたい、という少年の言葉を聞いても、実行しなきゃ!とは思わないはずですが、女からすると大切な人のために必死だったのかと。

エグい、エロい(私はそこまでエロを感じないですが、人にはエロいかも)、でも泣ける話もある本でした。

ただ、表現豊かな唯川さんの本なので、エログロ、女の執念などが苦手な人は注意。