アキエノート

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レビュー:「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を読みました

桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を読みました。

夢中で読めてしまう小説でした。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

本文を開いたときから「あぁ、この物語は救われないんだ」という感がしてきます。 友達の死体を見たとき山田なぎさは何を考えたか、妹への愛情で外へ踏み出す兄、子どもに甘える母親、子どもを愛せない父親、嘘の人生から解放された海野藻屑。

だれを取っても、山田なぎさからの視点と客観的にこの状況を見る第三者に立たされます。 1ページ目で藻屑が死ぬことを予告しておくことで、藻屑の死がより重たくなります。 なぎさと藻屑が仲良くなって、遠くへ行こうと決意します。 藻屑は家に入っていきますが、このときの心からの笑顔はなぎさによって救われたからなのか、さよならの意味を込めたのか…どちらにせよ藻屑は自分の死を予感していました。 そう考えるだけで、藻屑は最初から最後まで救われることはなかったけれど、唯一もし救いになってたとしたら、山田なぎさの存在なのだろうと思いました。

とにかく面白かった!

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